絆の森
かねやま絆の森 第6回「裾枝打ち・つる切り」活動(その2)
作業会場の真ん中にある林道。この道の写真右側が、植栽して18年生の森です。これから間伐の予定ですが、赤リボンがついている木は残す(切らない)木です。反対の左側の森は34年生の森。太くて立派な杉が並んでいます。朴山に私達が植えた2年生の杉苗が15年も経てば右側ぐらいの森に成長し、18年生の森は、左側の森くらいに成長します。
前半の作業を終えて休憩タイム。歩いて数分の「大美輪(おみのわ)の美林」見学へ。今回も、金山町役場産業課さんには朝から一日、一緒に活動していただきました。樹齢もそうですが、これだけ大きな木が密集して生えていることもめずらしい事なのだそうです。今は、こんな近い間隔で木を残さないし、残したとしたら普通はこんなに見事な木に育たないだろうとのこと。ここは本当に特別なんです、と産業課さん。
「人の手を入れることで、あんなに美しいものになるなんて素晴らしいと思います。私は、森を手入れする事の大切さを今回、肌で感じる事が出来ました。」
と、参加者アンケートに書いてくれた人がいました。現在の姿になるまで、何世代の林業家の方が、未来に残すために手入れを続けてきたかという新しい感動がありました。(現在、この美林は(有)三英クラフトが管理しています)
自分が先程までしてきた手入れと思い比べて、ため息をつく人も。
前回までは観光地の一つという印象でしたが、枝打ちをした後にあらためて大美輪を訪れてみて本当に良かったです。後半の作業では、参加者のやる気が作業量に表れました。
後半は34年目の森から真ん中の林道に移り、余分な枝をどんどん落としていきます。
2回目の参加をしていただいたメドテックさん。やはり、初めての現場に最初は戸惑われたそうです。
「最初は、うっそうとした森で薄暗く、下の見通しも無く、いかにも蛇が出そうで心配でした(苦手なのです)。しかし、いざ作業を始めてみると、蔦を払い、下枝を払い、いつの間にか地べたを気にすることも無く、夢中でした。 勝手な思い込みですが、木も気持ち良さそうに見えましたね!森の中に風が通り、光が満ちてくることを実感しました。」
今回、東京から来て下さった(株)日本環境認証機構様。普段はISOの審査でお世話になっています。昨年夏の、「山形ゼロックスフェア」でセミナーの講師をしていただいた時に、絆の森コンソーシアムの関係者とも交流し「今度はぜひ一度、かねやま絆の森に行くよ」と約束。さっそく今年、再会が実現となりました。当社だけでなく、役場さんや森づくり支援センターさんにも大変喜んでいただきました。
「皆さん楽しんで参加されている。参加企業と山ゼロさんの関係がよく分かりました、パートナーとはこういう事ですね。JACOも会員企業さんとの関係性のヒントになりそうです。」
今回、初めて参加された方々も慣れたようでテキパキ作業をされていました。前回は新入社員研修で参加できなかった新人さんの姿も。「これで、お客様に絆の森に参加して来たと話ができます。」
どちらの木も枝を落としたばかりで、節の新しい木肌が見えます。
「美しすぎる林道」になってきました。最初に来た森のイメージと全く別世界のようです。
すべて、ここにいる「かねやま絆の森活動」の参加者達が「森の仕事人」として作業しました。
普段は、ITソリューションの提案をしたり、経営課題の相談をいただいたり、コピー機を直したり、パソコンの設定をしたり、、自動車の部品を作ったり、お魚を加工したり、ISOの審査をしている私達です。
18年生の森は、これから間伐が待っています。赤リボンの木を良い状態で育て、残すのが目的です。それを邪魔するかのように杉の木に巻き付く、つる植物が目に付きます。つるが木に巻きついて、杉を枯らしてしまう話を聞きました。静かな戦いを感じました。
つるを途中から切って、杉に巻きついた部分を引きはがしていきます。すると、巻きついていた跡が、くっきり窪んでいました。とても強い力で締め付けながら巻きついていたのが分かり、少し怖いくらいです。
つるの様子をヘビに例えて、三英さんの命名「アナコンダ」。想像以上の威力に最初は言葉が出ませんでした。
「森は、強くもあり、弱くもあると感じました」と参加者。
杉の成長のために、私達の手で、つるを切ることができます。「よし、これでもう大丈夫。」
参加者アンケートからも、木が気持ち良さそうだった、木が喜んでいるように見えた、などと感じた方がけっこういたようです。
「食い込んでいるつるを取ってあげて、杉の木がキレイになったときの達成感は最高でした!まっすぐ伸びるようにと気持ちを込めながら作業をしました。」
「生産性が明確に判って、時間を忘れるほど作業に夢中になっていた。いつかこの場所がどんな状態になっているのか観たいね。」
三英クラフトさんに確認しながら、いくつかのグループに分かれてどんどん雑木を伐採。「最初は鬱蒼してしてました。自分たちの植林した山の数十年後を見ているかのようでしたね。作業後はスッキリ!手前味噌ながら、いい仕事をしたと思います。」と、手ごたえ十分の参加者。
一本、大きな広葉樹の雑木を切り倒しただけで、光が入るようになり、みるみる周辺が明るくなります。作業後の印象は、皆さん「光」が印象的だったようです。
-----アンケートより-----
・手入れをすることで、光が差し込み、木と木の間隔も確保されきれいになりました。
・木漏れ日がとても気持ちがよかったです。
・降りてきた光が神秘的で神聖な気持ちになりました。
・見上げると空が広く見えるようになりました。
そろそろ作業は終了。この後は山形名物「芋煮会」が待っています(その3へ)
更新日: 2011年12月07日