絆の森
かねやま絆の森 第20回活動より「オーケストラでつながる森づくり」
山形交響楽団の思想と森づくりには共通点があります。
創立から45年、子ども達に音楽を届ける"伝統"を引き継ぎしている山響交響楽団。
楽団創立者の村川千秋さんが『演奏を聴いた子が親になるまで25年、さらにその子どもが大人になるまで25年。50年かけ親子二代が聴いてくれれば文化として根付く』
と語っていたそうです。この想いは引き継がれ、現在の劇団員の熱意の根本にある思想だそうです。
この話を知ったとき、同時に7年前、大美輪の森の中で世代を継ぎながら成長してきた金山杉について、森林所有者から説明を聞いたときのことが思い出されました。
森づくりも同じで、苗を育てて「金山杉」のブランドで製品として世の中に出るまで50年、それ以上の年月がかかります。参加者は保育作業のたびに「この木が無事に切られるのは、自分の子供や孫の代だなぁ。」と未来を想像します。2年前の活動では、伐採し製材するために森林組合に運んだ杉は樹齢96年でした。自分の祖父母、その前の世代のじいちゃんばあちゃんが植えて育ててきた杉です。
山形交響楽団も、森づくりに携わる人々も、資源や文化といった財産(タカラモノ)は先人から預かったもので、今、自分たちができる活動を種蒔きし、未来に渡すため大事に育てている点が非常に似ております。また、本業を通して地域の未来のため、持続可能な社会へつなぐために活動されていることも共通しています。
記念事業でのコラボは両者にとって、共通の想いを持ってできるものと確信しました。
嬉しいことに、講演の中で、西濱専務が「このコンサートも絆の森の皆さんと共にできる森づくりの一部です。」とたくさんの町民の前でお話くださいました。山響さんが、音楽を通じて町民の皆さんとかねやま絆の森をつないでくれる形になりました。
環境税を活用して絆の森を運営している私たちにはありがたい一言でした。そして、オーケストラができる環境保護の活動はこういう形でもアリだなぁと納得しました。また、こういう形での参画を周囲が「アリ」と評価することで、今後さまざまな業態の組織が、森づくりに参画できると思います、更なる可能性を感じました。結果として、協定先であり一緒に記念事業を主催した金山町、森林所有者の三英クラフト様にとっても、このような形で地元に還元できたことを喜んでくださいました。
山に入らず、保育作業なしの活動ではありましたが、やまがた絆の森と地域の皆様、山形交響楽団と金山町中学校、大人から子供たちへいろいろなものがつながり、想いが伝えられた一日になりました。
私たちは、本業では「皆様のお仕事をより早く、より効率的に」をテーマにお客様先で提案活動をすることが多い中、こうして時間軸のまったく違う森の中の世界や、地域の中に過程を経て入っていく経験、音楽と文化の継承に触れる経験は、とても貴重でした。なかでも関係される人々に直接触れるというのは参加者にとって小さな変化につながることがあります。この小さな変化を、8年間積み重ねてきたらどうでしょう。私たちはCSRでいうものの見方・考え方を広くバランスよく持ち、周囲をよく知るという機会をいただきました。参加者のこうした経験は、きっとそれぞれの本業でも役に立っていると思います。
Yamagata Symphony Orchestra 山形交響楽団
←食と温泉の国、山形には県民に愛されるオーケストラがある!ぜひこちらからもご覧ください。これからも県内外のさまざまな場所で、カタチで、山形交響楽団の皆様の素晴らしい演奏が皆様の心に届きますように!
更新日: 2017年11月29日