絆の森
かねやま絆の森 第7回「遊歩道整備」活動(その2)
作業の合間には、森のいろいろな動植物を観察することができました。
カムロファームには、ミニホースという小さいお馬さんがいます。ポニーはよく見かけますが、ミニホースはもっと小さく、非常に珍しい種類です。ここでは乗馬も体験できますが、このお馬さんはとても温厚で優しいそうで、子供の乗馬体験で大活躍してます。
作業の傍らで地元のカムロファームのスタッフ方からいろいろ森の楽しみ方を教えていただき、一緒にワラビ採りもしました。
「地ごしらえを教えて頂いたカムロファームの方から、ワラビの取り方も教えていただきました。
初めてでしたが楽しかったです。取ったワラビが手にいっぱいになってしまったときに、近くに生えている植物の蔓を使ってまとめていただきました。さすがだと思いました。」
採ったワラビのブーケを日に当たらないよう、葉っぱに包んで切り株の陰に保管しておきます。まさにタカラモノ探し気分です。作業が終わってからきちんと見つけて持ち帰りました。
作業中にまたまた森の仲間を発見しました。
「このカエル、めずらしいんだってー。」と話題になったのは、モリアオガエル。
ポケットやリュックから、携帯やスマホを取り出して至近距離から各自撮影タイムが始まりました。
カエルくん、「この木チップ、いい匂いだなあぁ」とうっとりしながら撮影に応じてくれました。
今年から最上総合支庁の担当者が変わり、新たにタッグを組むことになりました。この方は、昨年までの9年間、山形県環境科学研究センターで県内の野生動植物調査(特に絶滅危惧種の調査)や山の木の実(ブナ、ナラ、クルミなど)の豊凶調査などをご担当されておりました。山形県内の森を知り尽くした心強いパートナーです。ご専門は、動植物や森林生態系、生物多様性になります。
ポケット図鑑を見せてもらいながら、「今の鳴き声は、この鳥。あっ、今飛んで行ったのはこの鳥。今のはこの写真のオスだよ」と、リアルタイムで野鳥観察をすることができました。実はこの図鑑、専用のリーダーで読むと図鑑から実際の鳥のさえずりを音で聞くことができるのです。
こちらは、作業の合間に足元の植物について総合支庁さんから話を聞く参加者。メドテックさんが撮影してくれた、「コウライテンナンショウ」の群生。息をのむ美しさです。
かねやま絆の森では、自主的に活動時の記録をカメラにおさめてくれたり、参加者アンケートに残してくれる人達がいるので、活動報告をまとめる時に、情報を集約できてとても充実した内容になります。今年は山ゼロ参加者だけでなく、丸魚さんやメドテックさんも、コメントや写真を提供して下さるようになり、報告書も参加企業が力を合わせて作成するようになりました。
珍しい「エゾイトトンボ」を見せていただきました。
今までの活動では、作業に集中して気が付く余裕もありませんでしたが、こうしてよく周りを見渡すといろんなところに小さな生き物がいるのが分かりました。
小さくてかいいい、きれいな青色トンボです。
作業は終盤に差しかかります。だいぶ疲れましたが、作業を交代してもうひと頑張りです。
チップ運びは終盤になると大変な距離があり、袋が重たくて、後半は一気に運べなくなりました。参加者の「だんだん重たくなってきた~」と辛そうな声に、三英クラフトの佐藤さん、何かを思いついたようです。少し太めの枝を調達し、ささっと何か作り始めました。渡辺さんも適当な枝を探し始めます、鉈で枝を落として丁寧に削り始めました。
近くにあるもので、あっという間に秘密のお助け道具 「天秤棒(てんびんぼう)」が完成!
「これに袋をぶら下げて運んでみたらいい」と袋を下げてもらい、大喜びの女子チーム。
最後の力をふりしぼって、一丸となって作業を進めて行きます。カートを器用に乗りこなす山形丸魚さん、三英クラフトの従業員かと思うほど周囲に馴染んでいました。チップを均す管責の仕上げももう少しで終わりです。
第7回参加者の「仕事ぶり」どうぞご覧ください。
こちらがBefore。散策路といっても、道には落ちた枝や枯れた葉っぱで埋もれています。なんとなく鬱蒼として歩きづらい印象です。雨の日は、滑りやすいので足元が悪くて危ないと感じておられたそうです。
こちらがAfter。落ち葉も枯れた枝もすっかり取りのぞかれ、森と人間のコラボでできた美しい癒しの空間に変身しました。道の境界線がはっきり見えて、これなら子供でも歩きやすそう!一目で「手入れが行き届いている森」の印象にガラリと変わりました。さらに地元産の木チップを森に還して、木の香りいっぱいの散策路になりました。皆さんの丁寧な作業からは、ここを歩く人・そして森への想いが感じられます。
ゴール地点でほぼ作業終了の目処が立ち、安堵の表情で談笑する山形丸魚の尾形常務と、当社の本田室長。
今年の山形ゼロックスのISO活動テーマは、「お客様と共感を創造する」です。
昨年までの単方向な「共感をいただく」から、双方向で「共に発見する、創り出す」関係性を目指した活動にステップアップさせました。今年のISO教育で全従業員に話をして、もちろん、ここに来ている参加者も、そのつもりで参加しています!
森づくりのコミュニケーションは、まさしく「一緒に共感を創造する」活動。社内外のたくさんの方と協力し合ったり、「きれいになったね」「やってよかったね」と会話する、こうして共感を創造しているのです。
山ゼロのチップ敷きは、ここまでで終了。実は、予定より、だいぶ進んだそうです(三英さんはそのことを終わってから話す)。思ったより重労働、というか、予想以上に大変でした。
残りは荘内銀行さんにバトンタッチで「荘銀かねやま絆の森づくり」に引き継がれます。
今回は荘内銀行、山形丸魚、メドテック、山ゼロと4社で一つの事業を協業します。業種は全然違いますが、CSR活動の協業は可能であることが実践により証明できそうです、これも今年の大きな収穫です。
「荘内銀行さん、チップ運ぶの大変だよね。大丈夫かな」「うん、でも地ごしらえはかなり先まで山ゼロで終わらせておいたから、荘銀さん気づいてくれるかな。」
「次の活動いつだっけ?」「次回も参加する?」と話す参加者。初参加の人に「次も来いな、また一緒にやろう」と誘い合ってくれていました。
更新日: 2012年08月10日